2009.01.27 Tuesday
正規社員と非正規社員（派遣を含む）
私は現時点では派遣業という仕組みは有用であると考えています。ただし、きちんとした社会保障や富の再分配（単に所得だけでなくむしろ土地などの資産）がなされること、失業対策や失業期間中にもある程度健康に生活できる仕組みがあることが条件です。その意味では、現在はその仕組みが整備されていないことも事実です。
意見交換させていただいている「介護福祉 専門学校講師 遥香の日記」でもコメントしてはいますが、これといった妙案があるわけではありません。
私は、株主や経営者といった企業の立場、管理職の立場、正社員、期間契約社員、アルバイト、派遣社員と色々な人の立場を考えます。更に、それぞれに、家族の有無やその状態、資産の多寡、両親の財産、健康状態、能力などなど、様々な事情があるものです。
そのような実情を肌身で感じつつも、派遣を肯定するのは企業経営上の有用性を評価しているためです。
でも、自分にも親族にも財産が無く、土地もなく、体力も低い人が不安定な期間労働者でいることはとてもリスクが大きい。今の日本の社会システムでは、泣きつく親族も資産も体力も無い者が、数ヶ月ほど仕事にあぶれると健康を損ねる可能性は高いし、死に至る可能性も否定できません。
派遣を肯定する分、正社員の既得権を否定しなくてはならないなと考えていますが、現状でこの論理を実施すると問題が起こります。もし資本家＆経営者のモラルが崩れた場合、期間労働者は、契約更新を行われず、正社員に対しても解雇や賃金カットが実行される恐れが低くありません。そうなると、正規と非正規の格差は縮まりますが、問題はむしろ大きくなります。
だから、上記の濃赤色が条件となるのです。
私の理論「派遣肯定、正社員既得権の緩和」に関しては、まさに同様の記事がダイヤモンド社のＷＥＢサイトにありました。同サイトの「再度問う。正社員のクビを切れる改革は本当にタブーなのか？」や「ワークシェアリング導入論に潜む二つの欺瞞」などの関連記事を参照していただければと思います。
今後、私も更に考えを深めたいと思っています。
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