ノラ猫の老後

　自分が上手くいかない時、ひとは人のせいにする。

「男なら、人のせいにするな」と言われて育った。ジェンダーな話で申し訳ないが、同じ御仁も多いだろう。本質的には、女性であっても同じであると思うのだが、なぜか「男なら」と付けられていた。

　言いたいことは男女の違いではなく。人のせいにしないということ。現実的には、誰かのせいで上手くいかないという目にあうことは多いのだが、それでも、それでもである、人のせいにしないことが美徳である。

　上司が悪い、部下が悪い、あいつが悪い、○○が悪い。

　＊ 批判の何が悪い？　
　＊ 悪いものを悪いと言うのは当然ではないか？

　人のせいだと言いたい人は多い。実際に言っている人も多い。あいつが悪い、あの人のせいだと、人の責任をクローズアップすることで、責任を回避し、自らの評価を下げないようにする。例えば保身のために。あるいは自らの心の安定のために。

　でも、大切なのは、上手くいかなかったとき、自らが、どのような努力をするのかです。改善するために、仲間をリカバリーするために、どれほどの苦労を背負うのか、それで男の度量は決まるのだと思う。

　人のせいにして、人の責任をクローズアップして、自らは被害者かのようにふるまう。わが国に、そういう人が多いことは残念だ。政治家には、とても多いし、子供はたいていそうである。その行為自体に、ある程度の合理性があるのだと思うが、決して自らを高めることにはならないだろう。

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企業再建コンサルタント　毛利京申（もうり　たかのぶ）

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